Fifties Fitness

2024年7月時点 168cm 83Kg → 現在 60Kg。 これは40代・50代・60代の中高年が若き日のスタイルを取り戻すためのユルいダイエット道。 無理はしない。無茶もしない。ツラい手段は選ばない。健康的で一生続けられる事しかやらず、太らない体質へと改造していく。

「筋トレ編 その2」


だいじょうV

刑務所でもできる筋トレを

 

 

「ストレッチ」

 「筋トレ編 その1」 中高年向けダイエット - Fifties Fitnessでも書いた通り、ダイエットを目指す中高年は筋トレの前にしっかりとストレッチしよう。

動的ストレッチで身体を温め、静的ストレッチで自分が不安な箇所をケガの防止にほぐしておく。

最も採りいれやすい動的ストレッチはこれ。

 

「ラジオ体操第一」

www.nhk.jp

そらで覚えている人もいよう。このピアノを聞きながらやりたい。

 

日本人ならラジオ体操で無意識に身体が動く。年をとってからやってみると、よくよく考えられている準備運動だなと感心する。

いくつかのつながりは忘れているが繰り返しやってるうちに自然と次の動きに備えてしまう。三つ子の魂百までとはよく言ったものである。

また早朝にするにふさわしい。毎日が夏休み気分になる。

 

しっかり暖まったら静的ストレッチもしよう。これについては個々の気になる部分をやっていこう。

主に固くなりがちなのは腰、背中、ハムストリング、膝、足首じゃないかな。

 

腰と背中なら「キャット&ドッグ」などの猫シリーズが有名だ。私は北口榛花の「もぐもぐタイム」の姿勢を取っている。そこからそのまま掌を付いて腕立て伏せのように伸ばし背中と腰をしならせる。

脚周りは座ったままの片足開脚。座って片足を胡座の姿勢に。もう片方を伸ばし、つま先を逆の手の先でタッチ。私はもちろん固くて雰囲気だけのなんちゃってストレッチになるのだが。

毎日続けていると心なしかタッチできそうな距離に近づいてきた...ような気がする。

その他に前屈・後屈をゆっくり行う。膝・足首はグルグルと回す。ついでにアキレス腱も伸ばしておく。

 

「自重トレーニング」

ゴリマッチョの中には「自重は無駄」と豪語する者もいる。

 

筋肥大命の人間が、同じ目的を持っている人に主張するならまだわかる。

車のディーラーで初めての自家用車を見に来た免許取り立ての若者に対し、レーサーが「F1に乗れ」と言っているようなものなので聞き流しておこう。

我々はソ連のボクサーと弔い合戦で戦うつもりもないし、さらわれた師匠の娘を取り返すために新拳法を身につけたいわけではない。

単なるダイエット希望者である。それも筋トレ未経験な中高年だ。住む世界が違う。

 

もし50代になってからシュワちゃんのような肉体を手に入れたいと本気で願う人がいるならば、大きめのジムに入会して定期的にパーソナルトレーニングを受けてみると良い。現代のヘラクレスボディを実装できるかどうかはともかく、然るべきプロの先生に相談すべきだ。

今ならどこも運動不足バブルがはじけて各種キャンペーンセールをやっているはず。

 

ここでは自重による筋トレを紹介していく。

 

大きなポイントは2点。

「お金がかからない」。「自宅で行える」。ジムへの月謝も、ジムへの移動も不要。

集合住宅でも戸建てでもできる。刑務所に収監されても続けられる。人1人分のスペースさえ確保できればできる運動だ。

 

「下半身を強くしよう」

比喩でも暗喩でもなく、そのまんまの意味だ。

大きな筋肉を大きく使ってカロリーを消費していく。その上で高い基礎代謝が身につくようにしていく。

言うなればエンジンスワップだな。より燃費の悪い、多少暴食したところで全部排気ガスにしてしまう身体を手に入れよう。

ここでは3つのトレーニングをお薦めする。

 

「スクワット」

とにかく体重が重い人はここからスタート。膝がつま先より前に出ないよう最初は壁に向かってやってみよう。

手の位置は自分がやりやすい形で良い。よく見かけるのは胸の前でクロスして掌を上腕につける形。両方の手を握り合ってお祈りをしているようなポーズも見る。肩の高さで両手を前にピンと突き出す。両手を腰にあてるなどなど。好きなスタイルで。

ゆっくり20回。太股が床と平行になるまで下ろす。

猫背にならないよう気をつけて、おヘソの辺りに力を入れてお腹を固くして行う。

椅子がお尻の真下に置いてあると想像し、それに座り込むと同時にお辞儀をするイメージでやると、膝と股関節が同時に動く。お尻をしっかり突き出せる。

下で少し止まると立ち上がる際にお尻によく効く。立ち上がる時は完全に立たないようにしよう。

これが3セットできるように。

体脂肪率が30%切っているなら、片足でバランスをとる次のトレーニングにチャレンジしよう。

負荷も高いが、敢えて不安定な姿勢をコントロールする事で背筋・腹筋も鍛えられる。

もちろんお尻にハムストリングに太腿の筋肉もバチバチに動かせる。まさにダイエットに最適な運動だ。

 

「バックランジ」

軸足でしっかり支えて、もう片方の脚を背後に下ろす。お尻で身体を持ち上げ、足を入れ替える。これを繰り返す。20回ずつ、3セット。

最初は気が遠くなりそうになると思う。特に2セット目で限界を感じる。

 

とはいえ、慣れてくるに従いだんだんとコツがわかってくる。

身体の使い方が上手くなる。お腹に力を入れるとスッと立てる。体重の移動もスムーズになる。

だいたい1〜2週間で形になると思う。最初は膝を痛めないようフォームに全神経を集中させよう。

肥満体なら数ヶ月経つと10Kg近く体重が減ってくる。それに伴い、急にバックランジが楽になる。

もちろん筋力も発達してきているだろうし、運動神経も伸びて身体の使い方が上手くなっているだろう。

楽になるのはそれ以上に大きな理由がある。

言ってみればこれまで10Kgの体脂肪という「重り」を持って運動していたのに、そのウェイトがなくなったという事。

こうなるとあれほどキツかった高度なトレーニングが軽い運動になってしまう。

まだまだ絞らなければならない身としては非常にマズい。

 

こうなるとダンベルがほしくなる。とはいえお金をかけないと言い切ってしまった手前、リサイクルに出すペットボトルを使うとしようか。

2リットルのペットボトルを2本用意してほしい。そこになみなみと水を入れる。これで2Kgの手作りダンベルが2つできあがった。

これをそれぞれ両手に抱え再開する。重りを手で持つ難しさもあって、しばらくは初心に戻れる。

 

それでも負荷が足りなくなってきたら、申し訳ないけどお金を使ってダンベルを買おう。渋沢栄一も福沢諭吉も聖徳太子も登場しない金額で揃えられる。

さらにリュックにペットボトルを詰めて背負うという手もあるが、多少の費用を払った方が楽である。安上がりでそこそこ使えるダンベルを別の機会に紹介するので参考にしてほしい。

 

「ブルガリアンスクワット」

なぜブルガリアンというのかは知らない。ヨーグルトとは関係ないと思う。

バックランジでも満足できない人向けの、より負荷が高いトレーニングとなる。

片足を背後のソファーなどに乗せて片足でスクワットを行う。同じく20回ずつ、3セット。

慣れてくれば同様に重りを持って行う。そう簡単には慣れないと思うよ。

 

もし片手10Kgのダンベルを両手で持ちながら何セットも余裕綽々でできるようになれば、それはもう高レベルな筋トレの世界に足を踏み入れているとみて良い。なお上を目指すなら、もうジムでフリーウェイトをやるべきだ。そこまできたら当初の目的のダイエットもいつの間にか達成しているはず。

 

「体幹トレーニング」

「腕立て伏せ」

いわずとしれた腕立て伏せである。頭の先から踵まで真っ直ぐに一直線となるようにスタンバイし、一直線のままゆっくりと下ろす。顎を突き出さない。首も使わない。腰も振らない。

きちんとゆっくりやれば、まあまず10回もできない。

 

そんな馬鹿なと思うかもしれない。実はきちんとフォームを守れば、猛烈に厳しいトレーニングなのである。

態勢にもよるが自体重の40%〜60%を支える筋トレなので、もし体重が80Kgあったとすれば40Kg〜50Kgのウェイトがかかる。

子供の頃はできたのに! と嘆く種目の代表選手である。懸垂もそうだな。

 

これは大胸筋を鍛える筋トレと言われているが、しっかりとしたフォームをとる事により背筋・腹筋・肩・腕・腰・脚も鍛えられる全身トレーニングとなる。

案外、思っているよりも奇麗にできる人は少ない。できれば家族にもフォームを見てもらおう。「〜」状になっていれば指摘してもらい、「一直線」になるよう修正していこう。

回数は自身の限界まで。そうは言っても10回できるかな? そんな難易度である。

当然体重が重過ぎれば全くできない場合もある。

そんな時は膝をついても構わない。

膝つき腕立て伏せで身体の動かし方、上半身の姿勢を覚えていこう。

慣れてくれば、手を台に乗せるなどして高い位置に置く。それで負荷の少ない腕立て伏せができる。最終的にノーマルな腕立て伏せができるようになれば良い。

逆に脚の位置を高くすれば、より強度がある腕立て伏せができる。

 

「プランク」

うつぶせに寝て、肘より上の腕で身体を支える。これも頭の先から踵までを一直線にする。

肘の位置を肩より前に出すのがコツ。脚は閉じよう。

30秒耐えるのを1セットとして、3セット行う。

筋トレYouTuberでも腰の位置が高過ぎたり、下がり過ぎている人もいる。奇麗に一直線を保つのが難しい。これも家族にフォームを見てもらおう。しっかり一直線にすると腹筋がプルプルするはず。

最初は脚を広げても構わない。徐々に狭めていこう。

これも腹筋を中心に満遍なく全身の筋肉をつけていくのに役立つトレーニングだ。

 

「こんな伸長しない体幹トレーニングで筋肥大するかよ」という声もある。

だから筋肥大なんか興味ないと言ってんだろ。これだから脳筋は...。

無論、オープンラックでバーベルを担いだり床から引いたりする方が筋肉の成長には強い負荷がかけられ効率的なのはわかっている。

しかし勤労中高年が毎朝ジムに通うというのは現実的ではない。専業主婦の朝も忙しい。それぞれの仕事が片付いた夜にジム通いというのも実効性に乏しい。土日なら行けても週に2回の筋トレでは目的を果たすにはあまりにも足りない。自宅にスミスマシンを導入するような人もそうはいない。そんな筋肉愛に満ち満ちているようなマッチョがこのサイトを読むはずもない。

我々の目的はあくまでもダイエットだ。日々、自宅にて短時間で済ませる筋トレを行えばそれで良い。

それにそもそも基礎的な筋肉が足りていないのだ。たとえいずれ高度な筋トレをしたくなったとしても、その前に背筋・腹筋といった腹圧を高めるベーシックな筋力をつけておかなければならない。

 

「その他のトレーニング」

という事でダイエットのための筋トレに戻ろう。

 

「デッドリフト」

スクワットやバックランジ、ブルガリアンスクワットがスムーズにできるようになると、自然に背筋と腹筋の上手な使い方や股関節と膝の滑らかな連動が身についてくる。

ここでもう一つ採りいれてほしい筋トレがある。

これは自重ではできないので、先程紹介したペットボトル製ダンベルを使ってみよう。

正直最初は難しく、フォームを間違えると怪我の可能性があるトレーニングなので、プロのトレーナーの動画で見てほしい。

 

youtu.be

バックランジを日本中に広めたユウジさんの動画。

「腰弱な男は嫌われる?ダンベルのデッドリフトで

体脂肪を燃えやすく! お腹の脂肪にもデッドリフト。

脊柱起立筋 自宅トレーニング」

50代、60代を対象に筋トレを教えているトレーナー。

個人的感想だが指導がストイックでついていけない。

 

これ程までにしっかりと背中と腰を鍛えられるトレーニングはそうそうない。

腰と背中の筋肉は目立たないながらもかなりの大きさを持つ。基礎代謝を上げるのにはもってこいだし、腰痛の予防はおろか現時点で腰痛の人なら治療にもなる。中高年には必須といっても良い。

 

私はジムではバーベルを使うが、家では片手10Kgのダンベルでやっている。それでも充分なトレーニングとなっている。

2Kgのペットボトルでも「だいじょうV」だ。

 

片手10Kgのダンベル

日本のメーカー製だがビックリするほど安価である

 

まだまだやっていくべき筋トレはあるとは思うが、大切なのは毎日継続できる事。

もしも朝に行うなら20分以内で終わるメニューに収めた方が良いんじゃないかな。「スクワット → 腕立て伏せ → プランク」みたいな。

 

出勤や家事の前にストレッチと筋トレと有酸素運動をサクッと終わらせる。無理のないようにトータルで1時間かからない程度が丁度良い。

短時間でも充分運動になる。「だいじょうV」。